千葉県南房総市岩井地区の観光情報

伏姫の籠穴・南総里見八犬伝

歴史の教科書、江戸時代終わり頃の文化として「南総里見八犬伝」という文学作品が紹介されていたことを覚えていますか?
これは、滝沢馬琴が26年の歳月を掛けて書き上げた、日本文学史上において、最高の長編大作と称されています。
タイトルに「南総」とあるように、南房総市、富山周辺をその主たる舞台として書かれています。

そのまさに聖地というべき「伏姫籠穴(ふせひめろうけつ)」を訪ねてみました。
里見吉実氏(安房里見家初代当主)の滝田城が安西景連に侵攻された際に、飼い犬の八房(やつふさ)「 景連の首を取って来たら、褒美に伏姫を嫁にやる」と言ったところ、八房が景連の首を咥えて戻ってきます。
いくら相手が犬であっても、城主が約束を破るわけにもいかず、伏姫は八房と一緒に城を出て、山の洞穴で暮らすことになり、そこがこの「伏姫籠穴」です。
伏姫はやがて身籠る一方、姫を捜しに来た家臣が鉄砲で八房を撃ったところ、その弾が伏姫にあたります。伏姫は懐妊を恥じ、身の潔白を証明するため自ら腹を切ると腹の中から「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」8つの玉が飛び散り、後にこの8つの玉を持った8人の犬士が集まり、妖術を使う玉梓(たまずさ)らと戦うストーリーです。
(もちろんフィクションです)

この伏姫籠穴ですが、こちら写真の入口までは車で行くことができます。数台分の駐車場もあります。
ただ、ここまでの道路は非常に狭く、車が1台ギリギリ通れるほどで、途中で車がすれ違うことはできませんのでご注意ください。

さて、この入口の階段を上り、目的の籠穴を目指します。

途中はいわゆる登山道です。登りやすいように整備されていますので、スイスイと登って行けます。途中、台風でなぎ倒されたと思われる樹木を見て、自然の力を改めて痛感したりします。

歩き始めてから約10分。いよいよ籠穴に着きました。ここで伏姫と八房が生活をしたという想定の場所です。中には、伏姫の大きな玉の周囲に、あの8つの文字のそれぞれ、八犬士分の玉が置かれています。

籠穴のすぐ手前には、八角形をしたウッドデッキのようなスペースがあります。休息所として設けられていると思いますが、八角形の頂点にあたる部分の柱には、8つの玉があしらわれた構造となっています。

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